「すれ違い」


まだ出会っていない、

」と「彼女」は、

これからどんなことを

思い、考え、悩む

と思いますか?


「すれ違い」はそういう物語です。多分ね。


朝、7時25分の葦葉駅発。
それが私がいつも乗っている電車。

もうこの電車に乗るのも慣れて当たり前になった。
同じ学校のみんなが乗る電車よりちょっと早め。
でも、朝錬に間に合う時間よりちょっと遅め。

高校一年の時に乗って以来ずっとこの電車。
ほんとはもっと遅い電車でもいいんだけど、この時間が一番空いてるし


例えば、自分に好きな人が居て、その人の近くに居られる。
そういうのは幸せなことだと思う。

相手がそのことに気付いていないとしても。

朝の電車の二十分ばかり、ただ同じ車両で遠くから眺めている。
二ヶ月ばかりのそんな関係。彼女にすれば無関係。

それでも結構幸せだった。
でも、やっぱり見てるだけじゃなくて、話もしたいし。

それにはやっぱり知り合いにならなくっちゃ、そう思う。


これは「咲田 新」が、2002年の夏コミに向けて作成しているWindows 98/2000/XP上で動作するコンピュータノベルです。

おかげさまで短編集「すれ違い」は、2002年8月11日のコミックマーケットで無事(?)発売されました。

お買い上げ頂いた方々、また販売までにお世話になった方々、本当にありがとうございました。